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INTERVIEW CAITAC INTERNATIONAL,INC. / 残布リユースプロジェクト

john masters organics × CAITAC INTERNATIONAL,INC.

「オーガニックコスメを通じて、人と地球の未来に貢献する」をミッションに掲げるjohn masters organicsは、環境に配慮した持続可能な製品づくりはもちろん、パッケージやショッパー、緩衝材など資材の循環にも取り組む「NO BEAUTY WASTE」など、さまざまな「green beauty action」を実践している。そのひとつとして2010年から12年間に亘り継続して行っているプロジェクトが残布リユースだ。お客様へお渡しする瓶製品等のワレモノを包む際、もともとは緩衝材を使用していたが、 当時、取り引きのあったセレクトショップや繊維会社から余った生地(残布)を買い取り、それを緩衝材の代わりとして使用したのがこのプロジェクトの始まり。2020年からは、環境への取り組みに積極的なYANUKを取り扱うカイタックインターナショナル1社のみと提携。今まで廃棄されていた残布(工場から反物のまま納品)を適切な大きさにカットし、緩衝材として代用することで現在では緩衝材の使用が、ほぼ0に。環境に配慮したサステナブルな製品づくりを実践している両ブランドが、残布リユースプロジェクトへの想いについて語り合う。

CAITAC INTERNATIONAL,INC.
CAITAC INTERNATIONAL,INC.

CAITAC INTERNATIONAL,INC. (YANUK)

CAITAC INTERNATIONAL,INC. (YANUK)

環境負荷を削減したプレミアムデニムの自社開発をはじめ世界市場に向けて新たな価値を創造

デニムを中心とした、上質なファッションライフスタイルを提案。日本・アメリカ・中国に自社工場を保有するグローバルな生産背景を基軸に「YANUK」をはじめとする、プレミアムデニムの自社開発を行う。岡山の自社工場では、デニム加工の際に出る排水の量を減らすためレーザー加工や、Eフロー(水を約70%削減できる)、オゾンガス加工ができる機材等を取り入れている。さらに、太陽光発電を2022年6月から工場の屋根へ設置。今後も環境への取り組みに配慮しつつ、デニムだけにとどまらないトータルファッション、リテール事業を通じ、世界市場に向けて新たな価値を創造してゆく。

INTERVIEW
CAITAC INTERNATIONAL,INC.01

john masters organicsは、
12年前から継続して
残布リユースプロジェクトに
取り組んでいます

このコラボレーションは、カイタックインターナショナルのプレミアムデニムブランドである「YANUK」のプレス向け展示会開催時に、john masters organicsの製品をノベルティとして活用したことに始まる。当時のノベルティ(残布ポーチ付属T&Eハンドリフレッシュナー)が、「YANUK」の自社工場で生じた残布や、紐を用いたもので、これがきっかけとなりお互いの残布に対する意識の高さを知ることに。両ブランドともに残布の価値を理解しているため、次なる可能性を秘めたプロジェクトとして進行している。

「2010年当時、表参道ヒルズで残布を使ったワークショップが開催されていたんです。そこで残布を再利用し、新たなプロダクトとして提案する作家さんに出会いました。その時、初めて残布リユースの存在を知り、私たちにも同じようなことができないかな?と思ったのが、このプロジェクトの始まりです。当時、john masters organicsでは瓶を使用したプロダクトが非常に多く、それを梱包するために緩衝材の消費量も増加。常日頃から、そこに大きな無駄と違和感を感じていました。そこで、緩衝材の代わりに廃棄されるはずの残布を使用することにしたんです。残布の持つ手触り感、ハンドメイド感はオーガニックの商品を扱っている私たちとって重要な要素でもあったのです。(john masters organics代表取締役CEO/CBO野田義宗)

「残布リユース開始当初である2010年からの10年間は、john masters organics製品の取り扱いのあったセレクトショップなどの取引先にお声がけをして、そこで余っている残布生地を購入し、緩衝材として使用していました。しかし、2020年からはカイタックインターナショナル1社からのみ生地提供を受けることに。オーガニックコットンを採用したエコデニムなど、サステナブルなプロダクトをブランドとして打ち出す背景として、岡山の自社工場で多額の設備投資(デニム加工の際にでる排水の量を減らすため、レーザー加工やEフロー「水を約70%削減できる機材」、オゾンガス加工ができる機材を導入)を行い、さらに太陽光発電を2022年6月から工場の屋根へ設置するなど、本気で環境問題に取り組んでいるという強い想いに共感したのがその理由です。」(野田)

「ノベルティ製作での取り組みがきっかけとなり、john masters organicsの12年間に及ぶ残布リユースプロジェクトの存在を知りました。サステナブルやSDGsなどの言葉に注目が集まるずっと前から、当たり前のように持続可能な物づくりを続けてきたブランドであることに会社として非常に大きな感銘を受けたんです。実は、それまではカイタックインターナショナルでは、生地の廃棄処分を回収業者に依頼をしていたんです。倉庫に残しておくのも罪悪感があったため、そうせざるを得なかったのですが、最終的な用途も不透明だったため、モヤモヤとした気持ちの悪さを抱えていました。そんな中、出会ったのが残布リユースプロジェクトだったんです。私たちに環境保護に対する意識を変化させるきっかけを与えてくれたjohn masters organics。そんな信頼するブランドに生地を託したいと思うようになったんです」(CAITAC INTERNATIONAL,INC./YANUK Women’s PR牧原綾香)

INTERVIEW
CAITAC INTERNATIONAL,INC.02

多くの人の協力によって支えられる
残布リユースプロジェクトの真の価値

残布リユースプロジェクトとは、いったいどういった取り組みなのか? それは実に多くの人の理解と協力によって成されていた

「どのように残布リユースが行われているかというと、まずは巻きの状態で残っている残布(デニムなど色が落ちにくいもの以外)を「YANUK」の自社工場で選定し、何種類かのスワッチ生地をjohn masters organicsに送ります。そこで最終的に緩衝材として使用する生地をセレクトしていただく。あとはjohn masters organicsからご指定いただいた倉庫へ納品するという流れになっています。最初に納品したのは約280mの残布でした。残布リユースプロジェクトに参画した2年前から計5回、トータルで約3500mもの残布を提供することができました。廃棄していた頃の罪悪感はなくなり、今では『化粧品ブランドで緩衝材として使われているんです』と気持ちよく胸を張って説明しています」(牧原)

「残布リユースの工程は、まるでひとつの製品作りのようなもの。そのため私は定期的に倉庫に行くようにしています。そこではスタッフが巻きの状態で納品された残布を緩衝材として適切な大きさになるよう裁断。それを全て畳みなおし、全国48店舗へ発送していきます。そこに至るには、数多くの工程が必要となります。しかし、それは決して無駄な作業ではなく、製品をつくることはもちろん、お客様にお届けするところまで心を込めて丁寧に接することに直結するのだと私は確信しています。また、製品をお客様へお渡しする際には、「YANUK」というデニムブランドから緩衝材となる残布を提供していただいていることや、ご家庭での再利用方法など残布の有用性をきっちりとスタッフから説明。ここまでがプロジェクトの一連の流れとなります。残布リユースプロジェクトは地球に優しく、ビジネスとしても無駄がなくスマート。多くの人の協力によってつくられていて、製造工程にはしっかりとしたストーリーと価値があるということ。このプロジェクトを12年前から継続している理由はそこにあるのです」(野田)

「カイタックインターナショナルとの残布リユースプロジェクトは今後も継続していきたいと思っています。次は緩衝材としてだけでなく、全ての資材に残布を用いたエコバッグの開発企画も検討したい。単に化粧品を売るだけでなく、会社のミッションとして大切にしているgreen beautyという価値観を体験してもらう。こういったポジティブな活動が起点となって周囲に幸福感が広がるようなサイクルを作っていくこと。それが我々の目指すgreen beauty communityなのです」(野田)

緩衝材としての使用を終えた残布は、持ち帰ったお客様の一手間によって小物入れや、<br>
ブックカバーなど様々なカタチへと姿を変えてゆく。

緩衝材としての使用を終えた残布は、持ち帰ったお客様の一手間によって小物入れや、
ブックカバーなど様々なカタチへと姿を変えてゆく。

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